蜜蝋(みつろう)で作る『虫よけアロマキャンドル』

蜜蝋(みつろう)は若い働き蜂が、自然から集めた蜜を分泌腺から出すことで生成されます。最初は白色ですが、花粉やプロポリス(蜜蝋とは違う成分)などが混ざり、黄褐色から褐色の色がついてきます。いずれも深みのある落ち着いたアースカラーで、見ているだけで心が落ち着いてくるような温かみのある色です。
そこで今回は、自然の優しさが詰まった有害物質を含まない蜜蝋と、虫が嫌がるアロマオイルで「虫よけアロマキャンドル」を作ってみることにします。このキャンドルを灯しておけば、椅子に腰かけて、香りを楽しみながら山の空気を胸いっぱい吸い込むことができます。作り方の手順も紹介いたします。
<蜜蝋キャンドルの特徴>
蜜蝋は石油を精製したものを主成分にしたパラフィンキャンドルと比べ、燃焼温度が高いので次のような特徴があります。
- ススや煙が出ない
- 完全燃焼するので蝋が垂れにくい
- パラフィンキャンドルよりも燃焼時間が長い
- しっかりとした炎で燃焼する(ゆらぎが少ない)
<材料を準備する>
- 蜜蝋:約200g
- シトロネラのエッセンシャルオイル:3滴
- ユーカリのエッセンシャルオイル:3滴
- スギのエッセンシャルオイル:2滴
- 包丁、またはナイフ
- 湯煎(ゆせん)用の鍋、大と小
- ワックスペーパー(またはクッキングシート)
- キャンドル用の耐熱瓶(キャンドル200グラム程度が入るもの)
- キャンドルの芯(たこ糸)とホルダー
- 100℃近く測れる温度計
<虫よけアロマキャンドルを作る>
1.蜜蝋を細かく刻む
蜜蝋を包丁などで細かく刻みます。粒のサイズを揃えておくと、湯煎するとき溶け方が均一になります。手を切らないように要注意です。
2.キャンドルの芯(たこ糸)を作る
キャンドルの芯に使うタコ糸を、瓶の高さよりも少し長めに、必要な数を切り揃えておきます。
3.刻んだ蝋を湯煎(ゆせん)する
刻んだ蜜蝋をボウルに入れ、湯煎します。70℃以上になると大体溶けます。
4.溶けた蝋にタコ糸を入れる
湯煎している蜜蝋の中に20~30秒間入れてコーティングします。このようにするメリットは、「キャンドルの芯が真っ直ぐ立つ」、「キャンドルがゆっくりと燃える」、「仕上がりの色合いもキャンドルと揃って美しい」などです。
- キャンドルの芯を取り出したら、ワックスペーパー(クッキングシート)の上で真っ直ぐにして、10分間ほど乾燥させます。
- 芯が乾いたら、芯の一方にホルダーを付けます。ホルダーは芯を真っすぐ立てる台になります。
5.瓶の真ん中に芯を置く
ホルダーを付けたまま、芯をキャンドル用の瓶の真ん中に立てます。芯は真っすぐに伸ばしておいてください。
6.アロマオイルを蜜蝋に加える
- 溶かした蜜蝋に、準備しておいた3つのアロマオイル(シトロネラ、ユーカリ、スギ)を垂らして入れます。割り箸でよくかき混ぜてください。
- アロマオイルは100%ピュアなものを御使用ください。エッセンシャルオイル(精油)とも言います。
- これらは蚊、ブトなど刺されるとかゆくなる虫を寄せ付けない効果があります。
7.溶かした蜜蝋を瓶に注ぐ
キャンドル用の瓶の半分くらいまで注ぎます。そこで20~25分ほど、そのままの状態で放置し、温度を下げます。ある程度固まってきたら芯の傾きなどを調整します。
8.仕上げの蜜蝋を注ぎ込む
再度、蜜蝋を湯煎して、瓶の上部まで注ぎます。
9.芯を引っ張って最終仕上げ
- すべての蜜蝋を入れたら、キャンドルの芯を割り箸など細長い棒に巻き付けて、ピンと引っ張って、固まるまで待って下さい。
- 最後に芯を1cmほど残して切って完成です。